阿蘇の食卓

阿蘇から生まれる
大地のまかなひ

からいも 西原村

からいもをたっぷり味わえる熊本の郷土料理“いきなり団子”。西原村の農産物や加工品を販売する「俵山交流館 萌の里」で購入できる。

南阿蘇エリア

外輪山と湧水の大地

からいも 西原村

火山灰土壌が最高の芋を育む

熱々の湯気をまとい、黄金色に輝く焼き立てのからいも(サツマイモ)"の魅力は絶大だ。西原村は、県内有数のからいもの産地。高系4号や紅あずまなど、いくつもの品種が栽培されてきた中、現在の主流は 村全体でブランド化を進めている 「シルクスイート」。しっとりとした食感と強い甘味が特徴の新しい品種で、調理のしやすさも相まって年々人気が高まっている。『ほりた農園』の堀田直孝さんは、「栽培や出荷時に手間は掛かりますが、とてもおいしい。6〜7年ほど前に村に導入され、今は5人の生産者が栽培しています」と話す。

西原村の畑は主に火山灰土壌であり、加えて阿蘇外輪山の峡谷部からは松の根を掘り起こすほどの強風「まつぼり風」が吹き下ろす。その気候風土が、実は地下で育つからいもの栽培に適しているのだそう。収穫は霜が降りる前の1月中旬までに終え、貯蔵庫内で温度と湿度を管理しながら寝かせる。堀田さんは、「貯 蔵すると糖度が増し、甘くなります。1月下旬頃からのからいもがおすすめですよ」と教えてくれた。

自然の地形を利用した「からいも」の貯蔵庫

寒さに弱いため、自然の地形を利用して造った貯蔵庫で保存。中の温度を15〜20度、湿度を80%程度に保つことで甘みが増す。

堀田さんは、地元で60年以上続くからいも農家。今も両親や妻、子どもや孫たちと、美味しいから芋づくりに取り組む。

60年以上の続くからいも農家の堀田さん
日々蕎麦の風味を引き出す工夫をする浅尾さん

シルクスイートは食物繊維がすくなく、なめらかな質感。蒸した後に裏ごしする必要がないほど調理がしやすいのも特徴。

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